オフィシャルインタビュー<前編>
結成4ヶ月ながら『ROCK IN JAPAN 2022』で優勝したり、『LIVE the SPEEDSTAR』オーディションを勝ち抜いたり、結成2年半にして華々しい経歴を持つMaverick Mom。しかし、その実態はまだまだ謎に包まれている。
――果たして、Maverick Momとはどのようなバンドなのか。
配信シングルのリリースや自主企画『サード・ファンファーレ』の成功などを経て、活動が一区切りしたのをきっかけにインタビューを実施。約1万字になったメンバーの言葉を、全3回でお届けしていく。第1回では、バンドの成り立ちについて語ってもらうと共に、これまでの2年半を振り返ってもらった。
TEXT=坂井 彩花
――オフィシャルインタビューは初めてかと思いますので、まずは自己紹介からお願いできますか。せっかくなので好きな食べ物と影響を受けたアーティストを5組、教えてください。
南出:Maverick Momのボーカルギター、南出大史です。好きな食べ物は納豆です。僕はJ-POPをすごく聴いていて、星野源やサザンオールスターズ、Mr.Childrenなどを聴きながら育ちました。小中学生になり、自分でサブスクから音楽を探すようになってからは、SuchmosやPenthouseと出会いました。
タイゾー:ベースのタイゾーです。僕はチャーハンが好きです。好きなアーティストは、Kroi、OKAMOTO'S、真心ブラザーズ、離婚伝説。あとはALIが好きですね。ジャンルでいうと、ジャズやR&Bあたりで、ベースがうねるような曲を作ってらっしゃるかたたちに影響を受けています。
ON:ドラムのSwitch ONです。僕はラーメンが好きです。Maverick Momに反映されていると思うのは、イギリスのジェイコブ・コリアーとインストのジャズフュージョンアーティスト、スナーキー・パピー。この2組はジャズフュージョンのアーティストで、ポップスやロックだとBUMP OF CHICKENとマイケル・ジャクソンが影響源ですかね。あとは、僕のお父さんである谷口崇。その5組だと思います。
中野:リードギターの中野武瑠です。好きな食べ物は、最近出たクーリッシュのいちごオレ味です。影響を受けたアーティストは、THE ORAL CIGARETTESとONE OK ROCK。最近はELLEGARDENとUVERworldにハマってます。もう1組は、ブリング・ミー・ザ・ホライズンですかね。
――続いて、メンバーが集まった経緯を教えていただけますか。
南出:バンドを結成した2年前の春は、コロナウイルスがちょっとずつ収まってきた時期で、3年ぶりに『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』が開催されることになったんです。オープニングアクトをかけたオーディションの存在を知ったのですが、バンドでのエントリーが絶対条件。なので、そのときにちょうどバンドを組んでいなくて、楽器に青春を捧げている3人をSNSで集めました。音楽をやっている同世代の人と、何人かSNSで繋がっていたので、そのなかで面白そうな同級生に声をかけた感じです。
――メンバーのビビッと来たポイントは、どこでしたか。
南出:もともと武瑠とは音楽をやっている共通の友達がいて、友達の友達みたいな感じで、SNSで繋がっていました。あるとき「今日から始めるぜ」みたいな感じで、ギターのストーリーをあげていたかと思ったら、その1、2ヶ月後には流行曲のギターリフを弾きこなしている動画をあげていて、「ギターって、こんなに早い速度で上達するものなんだ!」ってびっくりして。実際に会ってもかっこいいリフを弾く青年だったので、「一緒にやらない?」と声をかけました。タイゾーはMaverick Momを組む前から仲が良かったですし、住んでいる場所などいろんな縁が重なったり、好きな音楽もすごく似ていたりしたので、一緒に組んだ感じです。3人のなかで、一番出会うのが遅かったのがONなんですよね。僕がひとりで弾き語りをやっていた時代に、彼は学校の先輩後輩たちとインストゥルバンドを組んでいて、同じイベントに立ったのが初対面でした。でも、会う前からONのSNSを観ていて、彼のことは知っていたんです。何かをアレンジしてドラムを叩いたり、ボーカルエフェクトで遊んだり、めちゃめちゃいろんな音楽を愛してやまない人だなって。その前情報もあったし、ステージで会ったときにより一緒に音楽をやりたくなったので、声をかけました。
――誘われたみなさんは、南出さんから声をかけられてどう感じましたか。
タイゾー:バンドを組む話はチラッと聞いていたので、すんなり入ってきたんですけど、目標を聞いたときはびっくりしましたね。Maverick Mom結成前に組んでいたバンドで一緒だったときから、大史はパワーがありましたし、言霊をすごく大事にしていて。俺たちを「ロッキンの舞台に立つぞ」と誘ったとき、すでに行くことが決まっているかのように強くポジティブだったんですよ。僕自身はロッキンがどんな舞台か全然想像がつかなかったので、本当にチンプンカンプンな状態でバンドを始めたんですが、大史のカリスマ性というか。惹きつける力に、引っ張っていってもらった感じですね。
ON:僕は「面白そうだな」と思って、すんなりでしたね。「別に暇やし、いいよ」みたいな感じ。ロッキンについても、そんなに知らなかったから、ふらーっと入りました。
中野:適当な性格なので、当時のことはあまり覚えてないんですけど、ワクワクしたこともいっぱいあったし、今ではやってよかったなって気持ちです。たしか全員で会うとき、直前まで会うって知らんかったよね?
南出:そうやね。直前やった。
中野:大史が前やっとったバンドの最後のライブに俺がギターで出て、初めて全員が会った感じで。
南出:僕と武瑠が出演者で、ONが照明で、タイゾーがお客さん。そこで初めて4人が揃いました。忘れもしない、2022年3月25日ですね。
――そうして、Maverick Momが結成されたと。バンド名には、どのような意味や想いがこめられているのでしょうか。
南出:Maverickは異端児や一匹オオカミという意味で、Momは瞬間という意味を持つMomentの略語。本来であれば“マーベリックマム”なんですけど、響きがしっくりこなかったから“メイブリックマム”という読みにしています。結成から『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』まで4ヶ月くらいしかなかったので、当初は「ロッキン出場の夢を叶えるべく、一瞬一瞬で自分たちらしさを貫いて、突っ走っていこうぜ」という想いをバンド名にこめました。あれから時間も経ち、今では「自分らしさを貫いて、耳にした瞬間に聴いた人の頭や心に残るバンドになっていきたい」という想いもこめられています。